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メディア

 

ドブソン博士
  ドブソン博士の一問一答
Q.96

テレビの子どもに対する影響が心配です。一方的な規則でしばりつけずに、テレビをコントロールするにはどうしたらいいでしょう。


A.

親として、方法は3つあると思います。

第1に、子どもたちが見る番組の内容に注意すること。

第2に、制限時間を決めること。たとえ良い内容でも見過ぎるならば、子どもたちの他の行動にも悪影響が出ます。

3番目に、テレビについての方針を家族全員でたてることです。

以上3つの目的を実行するのに大変効果のあるやり方についての記事を最近読みました。まず、子どもたちと一緒に、見てよい番組のリストを各年齢別に作ります。そしてそれをきれいに書いて、毎日見やすい場所に貼り出します。

次に、チケットを作ります。子ども1人に毎週チケットを10枚づつ渡します。そして、リストに載っている番組を見る権利を、チケットで「買わせる」のです。チケットを使い果たしたら、その週のテレビはおしまいです。こうすると、子どもは見る番組を選ぶことを学びます。毎週40時間から50時間という全国平均から比べると、週に最高10時間はスタートとして適当でしょう。小学生にとって、週に50時間はあまりにも長過ぎます。

それぞれの家庭の事情や環境に合わせて、このシステムを応用して下さい。みんなが見たいと思うような番組、たとえば特集番組やクリスマスやお正月などの休日には、ボーナス・チケットを出すのです。何かのごほうびに余分のチケットをあげることもできるでしょう。

一番厳しいのは、親自身がその決まりに従う勇気があるかどうかを試されることでしょう。実は、我々大人も、しばしば同じようにテレビをみる習慣を制限する必要があるのです。

Q.98

うちの子が遊ぶ近所のお子さんたちは、テレビやケーブル・テレビなどでそら恐ろしい番組を見ています。親たちが、子どもたちに暴力やセックスを見せていることが信じられません。こういう番組が、後々になって及ぼす影響はどんなものなのでしょう。


A.

多くの親たちが、子どもの好き放題にテレビを見せていることは、悲しく、また理解できないことです。「何を見せてもいいじゃないか」と言う方々に、聞きたいと思います。赤の他人が、あなたの家を訪ねてきて、「お疲れのようですね。1日2日、お子さんたちのめんどうを見てあげましょうか」と言ったとします。「やあ、ありがたい。ぜひ頼む」と答える人は、まずいないでしょう。

これは、「子どものテレビを考える会」代表のペギー・チャレン女史が使った例ですが、彼女の言いたいことは、明らかです。子どもたちをテレビの前に座らせるのは、赤の他人に任せているのと同じです。この危険は、ますます大きくなりつつあります。テレビ上の暴力が、後になってしばしば青少年による現実の暴力となることを実証する調査結果が、次々と出て来ています。

レナード・D・アロン博士が、大変に説得力のある研究をしました。子ども達を、8歳、19歳、30歳の時に追跡調査しました。国は、アメリカ、オーストラリア、フィンランド、イスラエル、ポーランドです。結果はどこでも同じで、8歳の時に暴力番組をひんぱんに見ていた子どもほど、30歳の時に犯罪者となっていた確率が高く飲酒時の行動は節度を欠いていました。

親は、子どもがテレビを見ている時間と番組の内容をコントロールしなくてはいけません。さもなくば大変なことになります。
Q.99

テレビゲームをどうお考えになりますか。この数カ月というもの、息子はゲームにはまりっきりなんです。だんだん心配になってきました。


A.
どんなゲームに熱中しているかにもよりますが、ご心配はもっともです。「暴力番組に反対する国民連合」会長のビンス・ハモンド博士は、テレビゲーム、特に暴力的な内容のゲームには悪影響を与える可能性があることを指摘しています。別の研究者らは、こういうゲームには中毒性があり、暴力行為を促進する可能性があると結論を出しました。また、8歳から10歳の子どもたちは、テレビゲームをした後は、互いに喧嘩をする確率が80%高くなるということを示唆した調査さえあります。

ですから、息子さんがゲームやインターネットに中毒にならないように、それに費やす時間にはっきりとした制限をつけるようにお勧めします。暴力的なゲームには、一切手を出さないように言って下さい。現実的に対処すれば、息子さんや家族がこういう種類の遊びに振り回されず、健全に遊ぶことは可能と思います。

Q.100
テレビや映画で、なぜこんなに暴力シーンがもてはやされるのでしょう。どういうわけで、一般大衆はあんなものを見たがるのでしょう。

A.
興奮を求める私たちの欲望と日常生活に退屈している人が多いことが関係あることは分かりますが、私もその本当の理由は分かりません。血なまぐさい争いを見て楽しめる人がいることは、理解できません。

何年か前、アメリカのすべてのスポーツ番組などのプログラムの中で、一年のうちで一番人気のあったのは、「へルター・スケルター」という番組で、チャールズ・マンソン一家という連続殺人犯人集団の物語でした。

ある場面では、妊娠8ヶ月の女性が残酷にもおなかを刺されて殺されたのです。なぜ人は、そのような残酷なものを見ようとするのでしょう。そういう種類の番組が人気があるということは、アメリカ国民がどれほど堕落しているか、またどれほど暴力シーンをみたがっているかを雄弁に語っています。

Q.101
毎晩のように暴力番組を見続けていたら、人はどうなると思いますか

A.
かつてウォルター・リップマン氏は、「こういう種類の過激な番組が行き渡った社会では、民族も文化も崩壊してもおかしくない」と言いました。私も、まったく同意見です。アメリカは、場所によっては、夜、人がまともに出歩けない国になってしまいました。私たちは、恐怖におののいて生活しており、安全な人は誰もいません。お年寄りで何も取られるもののない人さえ、びくびくしています。テレビは、確かに国を滅ぼすほどの力を持っています。もう、修復不能なほどにダメージを受けているのではないかと恐れます。

「ドクタードブソンの一問一答」の翻訳については、ファミリー・フォーラム・ジャパンがティンデール社から許可を得ています。

Excerpted from COMPLETE MARRIAGE AND FAMILY HOME REFERENCE GUIDE ・ 2000
by James Dobson Inc. Used and translated with permission of Tyndale House Publishers.
International copyrights secured


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