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結婚 
ドブソン博士
  ドブソン博士の一問一答
Q.368

男性が女性を必要とする以上に女性は男性を必要とするものでしょうか。一人暮らしが上手なのはどちらでしょう。


A.

傑出した社会評論家ジョージ・ギルダー氏が「男性と結婚」という古典的な著書でこの興味深い問題を扱っています。

ギルダー氏は、男女がお互いのために造られており、一人では不完全さを感じることを認めつつ、男性より女性のほうが一人暮らしに長けていると結論づけます。逆に、世間では一般的に独身女性を「オールドメイド」「行き遅れ」などひどいことばで呼びます。独身女性は、社会に適応できずみじめだと見られ、あざけりの対象になります。

ギルダー氏の評価はそれとは違い、「社会的に一番ずれているのは未婚男性だ」と言うのです。彼らの方が未婚女性よりもはるかにアルコール依存症、薬物中毒、前科者また脱落者になる確率が高く、貸家は手に入りにくく、保険会社は契約を結ぼうとせず、ローンも組みにくい。運転は荒っぽく、カッとなりやすく衝動的である。

このパターンには例外も多くありますが、未婚男性は多くの反社会的行動をとる恐れが大きいのです。また独身女性と比べても収入は低く、転職率は高いのです。

しかし男性が結婚して子どもを得ると、こういう弱点は消えます。責任を果たし、勤勉に働き、将来の備えを始めます。自分の官能的欲望に負けないで自制し、扶養家族のために犠牲を払います。「穀つぶし」と言われた男が「大黒柱」と呼ばれるようになります。この変化を昔から「放蕩三昧した」あとに「身を固める」というふうに表現しました。これはあくまで一般的な言い方をしている訳ですが、この傾向は社会学の調査の裏付けがあります。

ですから女性には、歯止めがなく社会の脅威になりかねない夫の性的エネルギーに歯止めをかけて、家族を守り養う努力に変える力があるのです。この変化は、文化の繁栄のために決定的に重要です。

「結婚生活が崩壊したら、社会は成り立たない」というギルダー氏の言い分に私も同意します。家庭なしには女性は育児のための基盤がありません。不倫、中絶、結婚外妊娠は増え、子どもは苦しみ、薬物アルコール依存は蔓延し、真っ当なビジネスは伸びず、平和を好む市民が暴力と不法に取り囲まれることになります。

確かに女性は男性を必要としますが、それ以上に男性は女性なしにやっていけません。

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Q.369
女性として、博士のおっしゃる男女の違いが私ども夫婦にどれほど当てはまるか興味があります。夫が私をどれほど必要としているかを、私自身が十分把握していないことがあるということでしょうか。

A.

そういうことです。性的な欲求を除けば、男性が女性に自分の必要を告げることは大変まれです。男性自身が自分の行動形態を自分で分かっていないのかもしれません。

簡単に言えば、ご主人が自信を持つために奥様の助けが必要なのです。彼は見かけほどには自信がないかもしれません。男は自分の不安をを隠すのが上手です。一般的に、男は妻の「尊敬心」を確認したいのです。奥様がご主人の「愛」を確かめたいのと同じです。

女性のこの重要な役割について、私の友人であるE.V.ヒル博士のよい実話があります。
ヒル博士はロスアンゼルスにあるバプテスト教会の責任を持つダイナミックな黒人牧師です。先生は数年前に奥さんを癌でなくしました。その葬儀で、先生が妻ジェーンにいかに助けられたかを語ったのに大変心を動かされました。

若いころ、ヒル先生は牧師として生計を立てるのに苦労しました。彼は妻の反対を押し切り、なけなしのお金をはたいてガソリンスタンドの経営に乗り出したのです。彼女は、この事業を監督する時間も技量も夫にはないと感じたのですが、果たしてその通りになりました。スタンドは破産し、彼は無一文になりました。

若者にとって人生の危機でした。重要な企てに失敗したのですから、妻に「だから言ったじゃないの」となじられても仕方がなかったのです。しかし、ジェーンは、夫の弱味を本能的に知っていました。それで、彼がスタンドはだめだったと電話で告げたとき、彼女は「いいのよ」と一言答えたのです。

彼がその晩帰宅したとき、「妻は自分の先見の明のない投資にふくれつらをしているだろう」と覚悟していました。ところが、彼女は夫のそばに腰を降ろしてこう言ったのです。
「ねえ、私計算してみたのよ。あなたは煙草も吸わない、お酒も飲まない、もし両方ともやっていたなら、今回なくしたお金はとっくになくなっていたはずよ。そう考えれば今回のことは差し引きゼロ。忘れましょう」

ジェーンの出方によっては、夫の自尊心はその日跡形もなく砕け散っていたかも分かりません。特に失敗と恥の日には男性の自我は、驚くほどもろいのです。ですから、先生は妻から「あなたを信じているわ」という言葉を聞く必要がありました。そして彼女は確かにそのメッセージを伝えたのです。

ガソリンスタンドの失敗から間もなくのことでした。ヒル牧師が帰宅すると家が暗いのです。玄関を入ると、ジェーンがキャンドル・ディナーを用意しているのです。

「奥方様、いったい今日は、何の日でしたかね」と彼はおどけて見せました。

「何となくムードを出してみたくて」とジェーン。

主人もそれには大賛成で、洗面所へ手を洗いに入りました。電気をつけようとしましたが、つきません。寝室に入って別のスイッチに触りましたが暗闇のままです。

若い牧師は食堂に戻って「停電か」と聞いたところ、妻は泣き出しました。

「あなたは精一杯働いてくれているし、私もがんばったけど先月の電気代は払えなかったのよ。キャンドル・ディナーにしたら、あなたに知られないでいられると思って」

今はなき奥さんの言葉を語るヒル博士の言葉は、ふるえていました。

「もし家内に『こんなめにあったのは、私生まれて初めてよ。電気を切られるなんて考えたこともなかったわ』と言われていたら、私はすっかり自信を失い、やる気をなくしていたでしょう。

ところが妻は、『電気はそのうちつくわ。今晩はキャンドルを楽しみましょうよ』と言ってくれたのです」

ヒル博士の言葉は続きます。

「彼女は私の恩人です。ある時、命の危険を感じる脅迫を受けた時期がありました。『翌日にはおまえの命はないものと思え』と言われたこともあります。翌朝、目が覚めて生きていることに感謝したものです。

ところが、妻の姿が見当たりません。窓の外を覗くと車がない。外に出るとまもなく家内がローブのままで運転してくるのが見えました。

『どこに行っていた』と聞くと

『車の中に爆弾をしかけられてやしないかと、わたしふと思ったのね。知らないであなたが乗ったりしたら粉微塵でしょう。だから試してみたのよ。大丈夫だったわ』

ジェーン・ヒルさんは見上げた方です。彼女の多くの賜物や特質の中で私が一番感心したのは、夫を励まし支える妻の役目をよく自覚していたことです。ヒル博士は、影響力のある指導者です。彼が自信を得、それを保つために奥さんの助けが必要だったなどと誰が信じられるでしょうか。しかし、男とはそういうものなのです。われわれ男性は、特に若いうちは自信がなくて悩むのです。

私自身がそうでした。私が一人前になれたのは、妻シャーリーのお陰です。何度もくり返し言ってきたことですが、自信に欠ける私を彼女が信じ尊敬してくれたために、私は人と競いあい努力し、冒険できました。私が何かをやりとげたとするならその多くは、「私がついているからね」と言ってくれた妻の愛と献身との賜物です。

あなたもご主人のために同じことができます。彼の必要を満たしてあげてください。効果は私が保証します。

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Q.370
おっしゃることが分かったような気がしますが、要点をまとめていただけませんか。

A.

要するに、男女は心理的に異なった必要を持っています。互いが相手に対してユニークな弱点を持っているといえます。

女性は基本的に、夫にはロマンチックで自分のことを気にかけ、愛情深くあってほしいのです。男性は、自分を敬い、支えてくれる忠実な妻が欲しいのです。

この違いは、ある人々が言うように幼児期の環境の影響によるものではありません。そうではなく、人間の人格に深く根差したものです。

実に創造者はエデンの園でアダムの孤独を見、「人がひとりでいるのはよくない」(創世記2:18)と言われました。それで、神はアダムのために助け手、パートナー、愛する者として女性を与え、情緒的、性的に彼女と結びあうように計画されました。そうして神は家族を発明され、結婚を制定され、ご自身の祝福を与えました。

残念ながら、両性の折り合いが悪いために数知れない家庭が崩壊の危機に瀕しています。おそらく根本にある問題はわがままでしょう。人は自分の欲望を満たすことに目が奪われて、伴侶の願いに気づかないのです。

自分よりも相手のことを考えるとき、夫婦は一番うまくいきます。

くり返しますと、両性の基本的な必要は単純です。女性は常に愛される必要があり、男性は、事態が困難な時は特に尊敬されなければなりません。

これは何も耳新しいことではありません。大昔からの原則です。使徒パウロは2千年前にこう言いました。

「あなたがたも、おのおの自分の妻を自分と同様に愛しなさい。妻もまた自分の夫を敬いなさい」 (エペソ5章33節)

愛と尊敬、これは切っても切れない組み合わせです。

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Q.372
私のフィアンセは、美しくて信仰深い女性です。彼女と将来をともにすることは願ってもない幸せです。それでも、離婚という可能性があることを考えると身震いがします。どうしたらその悲劇を避けられますか。

A.

ご質問にはいろいろな答え方があると思いますが、あなたの結婚生活のベースまた礎石ともいえるポイントを申し上げましょう。それは、キリストを中心とした家庭を築くことです。キリストに献身している新婚夫婦は、そのような精神的支柱のない夫婦に比べて、多くの利点を持っていることになります。

そのためには、二人が結婚式の前からデボーションの生活を確立することです。あなたの家庭、二人の関係、将来神が与えて下さるであろう子どもたち、そしてあなたの人生をすべて主の目的にささげるのです。

妻のシャーリーと私もそうしました。二人が膝を折ってささげた祈りは、まさしく40年の結婚生活を支える力となりました。良いときも悪いときも、悩みの日にも感謝の日にも、天の父に直接語りかけるという特権にあずかったのです。なんと素晴しいことでしょう。

主の御前に出るのに何の予約もいれる必要はありません。部下を通したり、賄賂もいりません。ただ頭を垂れるなら、主はそこにおられます。シャーリーと過ごした最上の時間のうちのいくつかは、主とともに過ごしたこれらの静かな時間でした。

キリストを中心とした家庭のもう一つの側面は、規則正しく聖書を学びそれを日常生活に適応することです。霊感されたこのきよいみことばを読むときに、私たちは主のみ心をかいま見ることが許されます。何という宝でしょう。おことばのみで大宇宙を創造されたこの神が、健全な家庭生活の秘訣をわれわれに与えられたのです。結局、結婚と子育ては神ご自身の発案であり、平和と調和のうちに歩む秘訣は神が明らかにされています。

お金の扱い、性の問題、子どものしつけなどは聖書に記されており、この宇宙の王が承認された処方箋がついているのです。この最善の資料を利用しない手はありません。

最後に、クリスチャン生活が結婚を安定させるのは、その原則と価値観によって人と人がおのずと調和するからです。キリスト教は、行動面で、与えること、自制すること、神の命令への従順、法律の遵守、夫婦間の愛情を強調します。キリスト信仰は、アルコール依存、ポルノ、ギャンブル、物質主義、不倫、その他家庭崩壊につながる行いへの防波堤になります。

ですから、キリストを中心とした関係が家庭円満の土台となることに何ら不思議はありません。お二人がこの強固な基礎のうえに新家庭を築くなら、悲劇を招かずにすむでしょう。

ですから勇気を出してください。私と家内は天国であなたと会えるのを楽しみにしています。

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Q.373

主人と私は、結婚前それこそどんなことでも何時間でも話すことができたのに、結婚したら外食に出かけても何一つ話題がありません。何がいけないのでしょう? 主人は何を考えているのか言わないのです。


A.
数限りないカップルが同じ経験をします。結婚前は際限なくおしゃべりしたのに、数年後には話すことがなくなるのです。求婚の期間が終わると、ある人々は自分の気持ちを正直にオープンに話すことに困難を感じます。

この傾向は、一般的に女性よりは男性に当てはまります。女子の方が、男子よりも話す能力において優れているという明白な調査結果があり、この違いは生涯変わりません。簡単に言うなら、女性は男性よりもしゃべるということです。通常、成人女性は、自分の気持ちや考えを夫よりもずっと上手に表現し、夫の無口さにしばしば苛立ちを覚えます。

神は、女性に一日5万語を与え、夫には2万5千語を与えたのかもしれません。夫が帰宅した時、彼は24.975語を使い果たしており、夕方にはうめくことぐらいしかできません。夫がスポーツ中継にのめりこんでいる間、妻は残りの2万5千語を使いたくて死にそうなのです。

有能な結婚カウンセラーなら、夫が心のうちをあかさないことが女性の不満の最たるものであることを知っています。妻は、夫の考えていること、オフィスで起きたこと、子どもをどう考えているか、特に自分をどう思っているのかを知りたいのです。対照的に、夫は口にしないほうが良いこともあると感じます。これは妻の典型的な不満の例です。

あなたが、自分の悩みを夫に打ち明け、よりよいコミュニケーションを計ろうとともに努力するなら、この問題は克服できます。それこそ、結婚生活成功の鍵です。 

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Q.374

どうしたらそれができますか? この典型的な問題に悩まされるとき、コミュニケーションを改善するのにどうしたらよいのですか?


A.

解決は、まず夫の側からの歩み寄りにあると私は思います。モーセの律法の下では、新婚の夫は「めとった妻を喜ばせなければならない」(申命記24章5節)という責任がありました。これは今なお有効です。

意味ある会話をするためには時間が必要です。いっしょに散歩する、外食する、休日の朝自転車で出かけるなどの努力がふたりの会話を促し、愛情を保つのです。お宅のように夫が内を向き、妻が外を向いているような家庭でもすこしの努力で、良いコミュニケーションが生まれます。

他方、女性も妻の思いのままにならない男性たちがいることを理解し受け入れるべきです。ある種の男性たちは、人の気持ちや不満、特に女性たちの心を理解することができません。当然ながら、女性たちにも歩み寄りが必要です。

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Q.375
夫は、私の必要をわかってはいませんが、もし私が女性と男性の違いを教えてあげれば、理解する努力をしてくれると思います。問題は、どうやって私のニーズを夫に分かるように伝えられるかなのですが。

A.
まず、何をするべきでないかをお教えしましょう。「打ちのめし戦法」は避けてください。すなわち、際限もなく責め懇願し、叱りつけ不満を言い、非難するという戦術です。疲れ切った日の夕方こんな話し方だけはやめてください。

「あなた新聞をおいて、五分間わたしの話を聞いてよ。五分くらいいいでしょ? 
あなた、私の気持ちはまったくわかんないのよ。もう何年も二人で外食にでかけてないのよ。
行ったとしても、あなたどうせ新聞を読むだけだもの。

言っとくけどね。あなたにとって、あたしや子どものことなんかどうでもよくなっているんでしょ。
たった一度でもいいから、これぽっちの愛情でも見せてくれたら、あたしきっとびっくりして気をうしなうわ」などなど。

 これではご主人の注意を引くことはできません。それどころか、角材でなぐりつけるようなもので、怒りを買うか、黙らせてしまうか、その両方でしょう。泣き叫ぶ代わりに、一番ご機嫌のよさそうな時間にご主人を「教育」する機会をさがすのです。そのためには、適切なタイミング、セッティング、そしてマナーが必要です。では、この三つの要素を見てみましょう。

1. タイミング
ご主人がリラックスしていて、応答しやすい時間を選びます。朝、それも仕事のプレッシャーのない土曜日がいいかもしれません。くれぐれも、彼が疲れて空腹の時に、いらいらさせるような口調でこきおろしをしないようにしてください。そうすれば、努力が徒労に終わらないですみます。

2. セッティング
理想を言えば、一晩もしくは週末をかけて二人で出かけるようにするのです。経済的な理由でご主人がしぶるようなら、家計をやりくりして貯金します。泊りがけが無理ならば、外食するだけでもいいでしょう。

それさえ問題外とおっしゃるなら、子どもたちが何かに熱中していて電話にわずらわされないような時間を選びます。一般的に言うと、心配ごと、問題、ストレスのある家から離れれば離れるほど実のある会話が望めます。

3. マナー
ご主人が、あなたの話を個人攻撃と受け取らないようにすることが大変重要です。「けなされると防御が堅くなる」という性質がだれにもあります。ですからそのメカニズムを刺激しないようにします。できる限り、暖かく、愛と優しさに富んだ雰囲気を作ります。夫の欠陥を強調するのではなく、あなた自身のニーズを伝えようとしているのだということを分かってもらうのです。

タイミング、セッティング、そしてマナーがあいまってチャンスが到来したら、できる限り効果的にあなたの心底の気持ちを表現してください。ボーイスカウト用語を使えば「備えよ、常に」です。

夫の気持ちをつかむ方法について、どうして私がそんなに詳しいかとおっしゃるのなら、実は以上のような方法で家内は私に近づき、自分の気持ちを伝えるのに成功したのです。

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Q.376

心からの応答を全然してくれない夫を持つ妻には、何とおっしゃいますか? 主人はいい人ですが、女ごころの機微にはうとくて、会話を楽しむことをしません。私はもうがまんできません。


A.

妻の必要にまったく答えられない種類の男性たちがいます。女性たちが何を考えているかが分からず、これまでにだれにも「与える」ことがなかったのです。女性の機微が分からず、コミユニケーションできないこの種の男性たちに嫁いだ女性たちは、どこまでを期待できるのか、またどうやって意味ある生活を作り出すを決めなければなりません。さもなくば、さっさと離婚するしかないでしょう。むろん、そうしないほうが良いと私は思います。

 ご主人がそんな方ならば、奥さんにできることは、女性が男性とどうちがうか、そして、あなたに固有なニーズは何かを、責めたり怒ったりせずご主人によく説明することです。

お二人のあいだで、改善できるところは改善し、理解可能なことは説明し、解決できることは解決し、歩み寄れる部分は交渉することです。ユニークな個性を持った、二人の不完全な人間が持ち寄った原材料で、できうる限り最善の結婚生活を造りだすのです。

しかし、削りとれない荒さや、直せない欠点などについて最善の努力をした後には、現実を受け入れることです。精神衛生の第一原則は、変えられないものを受け入れることです。人生の状況を見て、うつ状態に陥ることは容易です。しかし、それに屈せず、満足を選ぶこともできます。「選ぶこと」が鍵言葉です。

 あなたは、ご主人をありのままに受け入れられますか? そもそも、伴侶の中に自分のすべての願いや希望を実現することはほとんどないのです。コインの裏表のように、当然ながらあなたもご主人にとって完璧な奥様にはなれません。

ご主人があなたの情緒的必要のすべてを満たすことができないように、あなたもご主人の男性としての必要を四六時中満たし続けることはできません。両者ともに、人間の弱さ、欠点、イライラ、疲労、また時折襲う頭痛を現実として受け入れざるをえません。完璧主義は、良い結婚生活の敵です。解決不可能な多くの問題を見過ごせる健康な視点が、良い結婚を生みます。

この解決法がやさしいものであるとか、おっしゃるような心の叫びを簡単に取り去るなどと言うつもりはありません。しかし、だれでも遅かれ早かれ、自分の手に余る困難にぶつかるものです。そこで、つぶれたり逃げたり腹を立てたり、その全てをすることもできますが、受け入れることはすべてに勝るのではないでしょうか? 

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Q.377
ということは、女性が情緒的な満足を得るには家の外に目を向けるべきだということですか?

A.

まさしくそうです。情緒的な弱さを持った女性が、四角四面で女ごころの機微を解しない男性と結婚している場合は特に。

もし、彼女が意味あるすべての会話の相手、情緒的なすべての必要を満たしてくれる相手を夫に期待するなら、結婚は長続きしないでしょう。夫には妻の「魂の渇き」をどう処理したらいいか、どうしたら妻が幸せになれるのか、皆目見当がつかないのです。

夫が自分の願うような夫になってくれる見込みがないと分かった時、二人の間には不満がわだかまり始めます。この問題で行き詰まった結婚の例を、私は限りなく見てきました。

 どこに解決があるのでしょう? 普通の情緒的な必要を持った女性なら、そのままではいられません。心が悲鳴をあげています。一つの答えは、他の女性たちと意味ある人間関係を築くことで、夫が満たせないものを満たすことです。心から話し合え聖書を学び、笑い泣き、子どもを育てることのできる、同性の友人を持つことは精神衛生のために必要です。

まさにそういう方法で、女性たちは過去何世紀ものあいだ情緒的な必要を満たしてきたのです。多くの男は週に60時間、70時間も働いて、妻の心の必要に答える時間もエネルギーもありませんでした。しかし、女性のネットワークがその空洞を埋めていました。いっしょに働き料理し瓶詰めをし、いっしょに教会に行きました。それで、どうにか満足できたのです。

今日、そのネットワークはどこへ行ってしまったのでしょう? 多くの女性は雇われ、近所に女性の姿がなくなり、人々はよく引っ越すようになりました。血縁者のつながりは薄くなり、社会は進みました。かくて、女性の友は見い出しにくく、多くの若い女性、ことに二人以上の就学前の子どもを持つお母さんたちは、友人を探すことをあきらめています。あまりに面倒なためです。

しかし、若い主婦の方々はこのようなパターンに陥らないように願います。どれほど忙しくても、同性の友情を育むために時間を費やしてください。家にとじこもって、だれかが話しかけてくれれるのを待ちたくなる誘惑に負けないでください。あなたの必要に答え、みことばを宣べ伝えている教会に家族で出席してください。同じ様な気持ちを持った女性たちが周りには大勢います。

そういう人たちを探し出し、愛し、自分にあるものを与えるのです。そのうちに、あなたの自尊心も高められます。あなたが満足していれば、結婚生活もうまく行きます。

簡単すぎる答えに聞こえるかも知れませんが、人間はそういうふうに造られています。人間は、社会的な生き物として神を愛するように造られており、孤独ではうまくいきません。そうならないようにしてください。

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Q.378
私の叔父と叔母は結婚して10年目に苦しみにあいました。末っ子が近くの池で溺死し、叔父は交通事故でけがをしました。その後、二人は寄り添うのではなく、かえって離婚してしまいました。どうしたら叔父叔母は人生の嵐を乗り越えられたのでしょう? これから結婚しようとしている私たちは、人生の苦難にあうときどうしたら結婚生活をまっとうできるのでしょうか?

A.
大きな医学部で14年働いている間に、あなたの叔父さん夫婦のようなめにあった多くの家族を見ました。辛いめにあって、夫婦仲が破れるのは珍しいことではありませんでした。

たとえば、知的障害児を生んだある夫婦は、その悲劇の責任をお互いに求めました。愛しあい支えあうのでなく、攻撃しあって傷に塩を塗ったのです。私は、彼らの人間的な弱さを責めはしませんでしたが、あわれに思いました。結婚生活に基本的な要素が欠けていることに、彼らは自分たちの世界が崩れるまで気づきませんでした。その要素とは、揺るがない決意です。

故フランシス・シェーファー博士が、この問題について語るのを聞きました。博士は、紀元1、2世紀のローマ時代にヨーロッパ各地に築かれた橋の話をしました。材料は石とモルタルだけなのに、今日も堅固です。大型トラックなど重機の使われる現代まで、なぜこれらの橋は生き延びたのでしょう?

それは、徒歩で渡る以外の目的に使われていないからです。もし大型車がこの歴史的遺物の上を通ったら、見事に崩壊するでしょう。

添いとげる意志の欠けた結婚生活は、ローマ時代のもろい橋のようなものです。堅固で確かにみえるのは、大きな試練に見舞われる時までです。ほころびが目立ち、土台が崩れ始めます。
今日の多くの若夫婦は、そういうあぶない状況にあるようにみえます。彼らのきずなは、補強されない泥のかたまりのようで、目前にたちはだかる重大な試練にもちこたえられません。ともに難問に立ち向かおうという意志など、初めからないのです。

夫婦関係を危うくするのは人生の重大問題だけではなく、日毎のフラストレーションもあります。ささいなイライラが積み重なると、人生を襲う大事件以上に二人の関係は危うくなります。仲のいい夫婦も、いがみあう時はやはりあるものです。「愛情など再び感じられないのでは」と思う時もあります。感情とはそういうものです。釘のささったタイヤのように、時々パンクをします。同乗者すべてにとっても不愉快な経験です。

 ご質問の点に戻りましょう。あなたの家庭を予期しない暴風が襲い、家庭の雰囲気が重苦しくなるとき、どうしたらいいのでしょう? 荷物をまとめて、ママのところへ帰りますか? すねて泣き叫んで、当たりちらしますか? あるいは、何くわぬ顔で前進しますか? もし式の誓いを生涯守りたいなら、歯を食いしばり、決意を新たにするのです。あなたも誓ってください。死以外の何ものによっても別れることはしないと。

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「ドクタードブソンの一問一答」の翻訳については、ファミリー・フォーラム・ジャパンがティンデール社から許可を得ています。

Excerpted from COMPLETE MARRIAGE AND FAMILY HOME REFERENCE GUIDE ・ 2000
by James Dobson Inc. Used and translated with permission of Tyndale House Publishers.
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