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結婚 
ドブソン博士
  ドブソン博士の一問一答
Q.379
もし本当に愛しあっているなら、人生の嵐に襲われても持ちこたえるのではありませんか?

A.
そうとは限りません。愛情をロマンチックな感情と考えているならなおさらです。互いを素晴しい人だと感じているだけなら、長い間やっていけるとはかぎりません。

多くのカップルは、求婚時代の興奮がずっと続くと思い込んでいますが、そういうことはまずありません。二人の個性的な人間が、機械のようにぴったりと協調し常に興奮状態でい続けられると思うのは、あまりにナイーブです。歯車でさえ多くの尖った歯があり、研がなければ滑らかに回転しません。

この「研がれる」という経験は通常新婚一年目か、二年目にあります。その大事な時期に、これからの生活の基礎が築かれます。そこでしばしば起こるのは、劇的な力争いです。
どちらがリードし、どちらが従うのか? どちらがお金の使い方を決めるか? 意見が分かれたときは、どちらが勝つか? 最初は白紙の状態で結婚生活に入りますが、初期になされる決断がふたりの将来を決定します。

使徒パウロは、結婚だけではなく人生のすべての側面で適用されるべき神の原則をこう説明しました。

「何事でも自己中心や虚栄からすることなく、へりくだって互いに人を自分よりもすぐれた者と思いなさい」(ピリピ人への手紙2章3節)

この一節は、結婚生活に関する人間の知恵のすべてにまさります。この命令に従うなら離婚はなくなるでしょう。嵐がほえたける時にも、あなたの結婚生活は安泰です。

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Q.380
先生は、結婚前カウンセリングを勧めますか? それはどうしてですか? 昨年は、お互いをよく知り合うために婚約者とずいぶん時間を過ごしました。カウンセリングのために時間やお金を使うことは考えてしまうのですが。

A.

結婚前カウンセリングは必須です。文字どおり、結婚を破滅の淵から救えます。それ以上に、現代の若者たちが事実上見知らぬ人といっしょになってしまう歯止めになります。つまりこういうことです。

普通結婚前のカップルは、あなたがたのように何時間も話し合います。しかし、自分で思っているほどにはお互いを知ってはいません。デート中の関係は情報を分かち合うためというより、隠しあうためにあるようなものだからです。双方とも、自分のいちばん良いところを見せようとし、恥ずかしい事実や癖、欠点や気性は隠すのです。

その結果、式が終わると自分だけの多くの思い込みを持ったまま結婚生活を始めます。数週間後にはただごとならないぶつかりあいが起こり、互いに譲れない問題について二人はまったく異なる意見を持っていたことを発見します。求婚期間には決して予測できなかった議論がおこり、傷つけあうのは時間の問題です。

そういうわけで、信頼できる、聖書的な結婚前カウンセリングは受ける価値があります。婚約者は、たとえお互いにぴったりと思えても、結婚準備カウンセリングの心得のあるカウンセラーと、少なくとも6回から10回の面接をするべきです。このカウンセリングの主要な目的は、双方がもっている思い込みをさぐりあて、ぶつかりあう可能性のある部分をよく話し合うことです。

下記のような質問は、有能なカウンセラーがカップルに話し合うように勧める問題の例です。

・どこに住むか?
・新婦は外で働くか? 働くとしたら何年ほどか?
・出産計画はどうするか? 子どもはいつごろ何人ほしいか? 何年おきにするか?
・子どもが生まれたら妻は仕事に戻るか? 生まれて何ヶ月目から戻るか?
・こどもへの罰はどのようにするか? 母乳か、ミルクか? しつけはどうするか?
・どこの教会に出席するのか?
・二人の間に考慮に入れるべき信仰の違いはないか?
・夫婦の役割はどうちがうか?
・お互いの親族に対してどう接するか?
・大切な休日をどこで過ごすか?
・経済的な決断をどのように下すか?
・クレジット・カードについての意見はどうか?
・車は借金しても買うべきか? いつ買うのか? どんな車か?
・結婚前には、ふたりは肉体的にどこまで許されるか?
・新婦の友達が、新郎の友達とちがう場合、お互いの友だちとどうつきあうか?
・フィアンセについての互いの一番の心配は何か?
・相手に対してどのような期待を抱いているか?

これらは、二人が話し合い、考えなければならない話題の一部です。その次には、気質や性格のパターンを知るための相性テストをいくつか受けます。時には、ショックな結果がでます。将来二人が出会うであろう問題点を発見したあと、結婚式を延期したり取り止めたりするカップルも実際にあります。一方、二人の違いを解決し始め、ますます確信を強めて式に臨むカップルもあります。どちらにしても、男女ともによく知り合うことは普通はお互いの益になります。

ある人が言いました。「健全な結婚生活の鍵は、式の前は目をしっかり開け、式のあとは半分閉じることだ」

私もそう思います。結婚前カウンセリングの役割は、そのための手助けです。

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Q.382

家内は、すべてが整った状況でないとセックスに応じません。我々夫婦は単純に互いの体を楽しむことができないのです。ベッドに入る前から時間をかけて家内に話しかけなければ、興味を示さないのです。他の女性もそうなのでしょうか?


A.

大部分の女性はそうです。女性にとって、セックスとは単に肉体だけの経験ではありません。ロマンチックな要素が不可欠です。妻が、夫に対してある親密さをその時に感じなければ、また夫から人間として尊敬されていると感じなければ、夫とのセックスを楽しむことはできないかもしれません。

ロマンチックな親密さを感じずに性行為をするとき、妻はしばしば「利用された」と感じます。ある意味で、夫は自分の喜びのために彼女の体を利用したのです。奥さんのように夫を拒否するか、もしくはうらみつつ、しぶしぶ夫に応じるのです。

逆に男は、不機嫌で帰宅し、自室や庭で黙々と働き、11時のニュースをだまって見、最後にベッドにもぐりこんで妻を求めることもできます。その夕、妻とやさしく語り合う時を持たなかったからといって性欲が著しくそがれるということはありません。妻が肌にねばりつくようなナイトガウンを着てベッドに向かうのを見ただけで、夫は熱が入ってしまうのです。

しかし、妻はそうではありません。一日中夫を待っていたのに、帰宅しても挨拶さえしてくれなかったので、無視されたと感じ傷つきました。それ以後も夫は何かに没頭してこちらを向いてくれないので、すっかり興が冷めたのです。ですから、夜遅くなって夫の要求に答えるのはできないと感じるのです。

このフラストレーションを夫に説明できないことが、女性にとって絶えない頭痛の種だと私は思います。

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Q.383

男性と女性の性欲は同じですか?


A.
性欲の現れは、多くの男女にかなりのちがいが見られます。

女性のオーガズムと男性の射精時の快感と興奮は同じくらいであるとする研究結果がありますが、クライマックスへの道は男女で異なります。大部分の男性は、女性に比べて早く興奮します。婦人が今晩の夕食や、明日子どもに着せる服のことを考えている間に、夫はもう終着点に達してしまうこともあります。この女性の遅さを考えそのペースに合わせられる男性は、賢い人です。

しかし、別の面があります。女性も夫が自分とどうちがうのかを理解すべきです。男性が発散を妨げられると、たまった生理的なプレッシャーの解放を求めます。

ふたつの精嚢(精液を保つ小さな袋)が徐々に満たされます。最大限になると、ホルモンの影響によって男性はすべての性的刺激に敏感になります。満足している時にはある女性にほとんど興味が湧かなくても、そうでない時は彼女のそばにいるだけで刺激されます。

妻は、自分がそれほど切迫していないために、夫の性欲が蓄積するこうした一面を理解するのは難しいかもしれません。ですから、妻は夫の欲求が一定の生理的な力に支配されていることを理解すべきですし、もし彼を愛しているならば、できる限り意味深くまた定期的に、その必要を満たす努力をすべきです。

女性にも満たされるべき一定の性欲があることを否定はしません。ただ、禁欲は、女性より男性にとってむずかしいことを説明しているだけです。

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Q.384
人によって性欲の強弱があるのはなぜでしょう?

A.
性に対しての大人の態度は、遺伝と、子ども時代と思春期に受けた条件づけの結果です。ほかの点では申し分のないのに、夫婦のセックスを、汚れていて動物的で、悪だと考えている方々がどれほど多いかは驚くほどです。感じやすい時期に、セックス関して偏った否定的印象を刻みこまれた人が、結婚した夜にそれまでに心に深くしこまれた抑制を解くのはむずかしいかもしれません。結婚式がすんだだけでは、「してはならない!」から「すべきである。それも規則的に熱心に!」と自動的に変わることはありません。人間の心はそうそう変わらないものです。

もうひとつ、性欲の強弱のすべてが、親の育てかたの間違いによるものではありません。人間にはあらゆる面で個人差があります。足の大きさ、歯の形、食欲の程度もちがいます。背の高い人がいれば低い人もいます。みなユニークです。

性欲も同じです。私たちの知性の「コンピューター」は、遺伝の過程で明らかにそれぞれちがったプログラムがされています。あるものは性的に「飢え渇き」を覚えますし、逆にそれほど深刻に感じない人もいます。このような個人差のあるのですから、肉体や感情と同じように、性的にも自分をありのまま受け入れたらいいのです。これは、性生活を改善しなくてもよいということではなく、無理なことはやめるべきだということです。

夫婦が満足している限り、一般の週刊誌が「夫婦生活の問題」をどのように描いてみせようと関係ありません。我々の社会では、性生活が統計に振り回されるようになっています。

たとえば「平均的夫婦は、週に3回なの?困ったわ。あたしたち、少なすぎるのかしら?」などと考えるのです。夫は、自分の性器は平均的な大きさだろうかと心配し、かたや妻は、バストの線に魅力がないと気をもみます。あまりにもセックスのことに心を奪われています。

セックスを、本来あるべき位置に戻すべきです。確かに性生活は大事ですが、あくまで私たちの益のためにあるので、これに支配されたらいけません。

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Q.385
結婚問題のほとんどはセックスの問題に起因するものでしょうか?

A.

いいえ、その逆が多いでしょう。結婚生活上の困難が、ほとんどのセックスの問題の原因です。別の言い方をすると、ベッド上での問題をもつカップルは一日の他の23時間半の中により大きな問題を抱えていることが多いのです。

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Q.386
主人は、セックスのことをまったく話さないのが私は不満です。こういうことはよくあることでしょうか?

A.
よくあることです。ことにセックス上の問題を持っている人には。セックスに問題があるとき、夫婦の間にいつもコミュニケーションがあることが重要です。性交が喜びでないとき、心配が積み重なって来るとき、人は日常的にその話題を避ける傾向があります。二人とも問題を解決できないので、暗黙のうちに無視しようとします。

最近ある女性が手紙をくれて、「夫とのセックスは、無声映画に似ている」というのです。何のことばもないからです。

週に数回肌を合わせながら、内気な夫婦がこの重要な問題について何年もまったく気持ちも不満も言い表さないでいられることは、信じられないほどです。このような場合、その結果は、熱いコーラの瓶を持って振るようなもので、爆発を待つのみです。心配の種になる思いや状況を表現しないと、内側にプレッシャーとストレスがたまります。話題が口にできないものであればあるほど、プレッシャーは性欲を弱める方向に働きます。

加えて、性に関する話題を避けるとき、夫婦の交わりが演技の雰囲気を帯びます。すなわち、双方が相手に批判されているような気持ちになります。このコミュニケーションの障害をとりはらうためには、夫が主導権をとって、妻が気持ちや恐れや願いを表現するのを助けるとよいのです。刺激になる、またはならない方法やテクニックについて話し合うのです。穏やかに、自信をもって、成熟した大人として問題に直面します。

そのような心なごむ会話が交されると、不思議なことが起こります。緊張や心配は、口にしたときから少なくなるのです。

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Q.387

私たちは毎晩真夜中までベッドに入りません。その時には疲れていて主人の必要に答える気になれないのです。夫婦生活をする気になれない私は、どこかおかしいのでしょうか。


A.
お話しを聞いている限り、おかしなことはありません。女性が性的に応答できないことには、疲労が大きな要因を占めています。ある人が言いました。

「猫を寝室から出して、子どもを寝かし付けて、留守番電話をセットしたら、もう何もする気もなくなるわ」

まったくそのとおりです。一日18時間も働いたお母さんが、特に元気盛りの幼児を一人か二人追い回していたら、彼女の内部のパイロット・ランプはちらちらしてついに消えるかもしれません。やっとベッドにたどり着いた時には、夫婦生活は喜びではなく義務になっています。その日の彼女のするべきことのリストの上では、最後の項目なのです。意味のある性的な関わりのためにはかなりの肉体的エネルギーが入り用であり、これがすでに消費されていたら深刻な影響があります。それにもかかわらず、夫婦の交わりは普通夜遅くに計画されます。

もし性生活が結婚の中で重要なことであるなら(事実その通りですが)、ベストの時間をとるべきです。やるべき仕事を遅くならないうちに切り上げて、終わりのない雑事や責任で夫婦が疲れ果ててしまわないようにするのです。なすべきリストの中で最後になったものは、ないがしろにされる可能性が大きいのです。多くの夫婦にとって、性生活は余りに貧しいものになっています。

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Q.388
50代を過ぎると性欲の減退は避けられないことですか?

A.

年を重ねるにつれて欲求がなくなるという器質的な理由は何もありません。肉体的な年齢よりは、性欲の場合心の持ち方と情緒的な条件により左右されます。夫と妻が自分を年老いて魅力がないと考えるなら、年齢よりはそれ以外の理由からお互いに対する関心を失います。しかし、肉体的な観点からは更年期の男女が性的に無関心になるという根拠はありません。

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Q.389

50代から70代の女性がもっとも伴侶に求めるものは何ですか?


A.

若い時に夫が示してくれたのと同じ愛情と尊敬です。これが、生涯を誓いあった夫婦愛の美しさです。夫と妻が、幸せな日にも苦難の日にも友また同僚として立ち向かえます。
逆に、「性の自由」を謳歌し、忠誠を誓うことを嫌う若者たちは、後年になってうらみや別れの思い出しか残りません。目先のことしか考えないこの生き方は当世はやりのように見えても、その先は行き止まりです。愛の誓約を交すことには確かに代価が伴いますが、満期には最大の利益が約束されている投資なのです。

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Q.391

博士は「健全な夫婦は、けんかのしかたを知っている」とおっしゃいますがそれはどういう意味ですか。


A.

私の言いたいのは、正しいけんかのしかたを学ぶ必要があるということです。結婚生活では健全な争いもあれば不健全な争いもあります。不安定な家庭では、ののしりの言葉が相手のもっとも弱い所に向けて投げつけられます。

「あなたって、何一つまともにできないわね」

「そもそも、おまえといっしょになったのが間違いの元だった」

「おまえ、ますます母親に似てきたな」

こういう攻撃的なことばは、あなたの伴侶の自尊心の中核を傷つけます。
反対に、健全な争いは不一致をもたらした問題点に焦点を当てます。例えば、

「夕食に間に合わないときには連絡してくれないと困るわ」

あるいは「夕べのパーティーであんなふうに言われちゃ、まるでぼくが馬鹿に見えるじゃないか」というふうにです。

違いが分かりますか。前者は相手の尊厳を傷つけ、後者は摩擦の元になった問題を追及しているのです。この大切な違いを夫婦が学びとるならば、互いを傷つけたりおとしめたりせずに不一致を解決していくことができるのです。

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「ドクタードブソンの一問一答」の翻訳については、ファミリー・フォーラム・ジャパンがティンデール社から許可を得ています。

Excerpted from COMPLETE MARRIAGE AND FAMILY HOME REFERENCE GUIDE ・ 2000
by James Dobson Inc. Used and translated with permission of Tyndale House Publishers.
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