おそらくそのテーマで本をいくら書いても充分には言い尽くせないでしょう。最悪の場合、以下にあげたもののうちの一つでも夫婦関係を葬ってしまう危険をはらんでいます。
1. 無理な計画と疲労
これには注意が必要です。仕事についたばかりか、学校に入学したばかりの若いカップルにとっては油断がなりません。何かの勉強とフルタイムの仕事と、出産と育児と、家の修繕と新たなビジネスとを一度にやろうとしてはいけません。
「冗談でしょう」と思われるでしょうが、多くの新婚夫婦は本当にそのような生活をし始め、結婚生活が破綻してから、「どこがいけなかったのか」と頭をひねるのです。
無理もありません。二人が顔を合わせる時は、いつも疲れ切っているのです。常に新鮮な愛情を感じたいなら、二人だけの時間をとる努力が必要です。
2. クレジット・カードの濫用、そしてお金の使い方についての不一致
基本的には現金でしか払わないことです。家や車のローンに追われて、リクリエーションのための費用がなくならないように注意してください。資金の運用には、ソロモンの知恵が必要です。
3. わがまま
世の中の人には、ふた種類あります。与える人と受ける人です。与える人同士が結婚したら素晴しいですね。与える人と受ける人が結婚したら、摩擦は避けられません。受ける人同士が結婚したら、何週間もしないうちに傷つけあうでしょう。わがままは、短期間に夫婦関係を破壊します。
4.不健全な親戚づきあい
夫か妻が、精神的に親から完全に独立していない場合は、近くに住まないほうがいいでしょう。子どもを手放すのに困難をおぼえる両親もいます。近くに住むことは問題を招きます。
5. 非現実的な期待
結婚生活とはバラに囲まれた家に住み、サクラソウの歩道を歩き、絶え間のない喜びの連続であるかのように想像している新婚カップルがいます。不完全な人間が二人寄り添っていて、そんな期待通りになるわけがありません。
カウンセラーの故ジーン・ラッシュ女史によれば、このような幻想は特にアメリカ人女性にありがちとのことです。女性は、とうてい夫が答えられないほどの期待を抱くものです。私もそう思います。その期待が裏切られたとき、結婚生活は地雷の上を歩くほど危険なものとなります。
6. スペース・インベーダー
これは、火星から来たE.T.のことではなく、自分の伴侶に息抜きをする空間さえ許さず、精神的に相手を窒息させて、嫌悪感を抱かせるような人のことを面白おかしく言ったことばです。その一つの兆候は「ねたみ」です。もう一つは低いセルフイメージであり、自分に不安を感じる人は伴侶をいわばオリに閉じ込めるようなことをします。これでは息がつまります。
愛情は自由なものですから、相手を信頼することが大切です。
7. 性的なフラストレーションと、それに伴う浮気
この二つは、恐ろしい取り合わせです。
8. ビジネスの失敗
仕事上の失敗は、ことに男にはこたえます。経済的な悩みが、時には伴りょへの怒りを引き起こします。
9. 商売の成功
ビジネスのはでな成功は、失敗と同じくらい危険です。ソロモン王は「貧しさも富も私に与えず、ただ、私に定められた分の食物で私を養ってください」(箴言30章8節)と書きました。
エドワード・フィツジェラルドは言いました。
「記録専門の天使がしたためる最も悲しいページのひとつは、成功したために身を持ち崩した人達の記録だ」
全くそのとおりです。
10. 早婚
14歳から17歳の間に結婚する女性たちの離婚率は、18歳もしくは19歳で嫁ぐ人より倍以上も高くなります。18歳もしくは19歳で結婚する人達の離婚率はは20代で結婚する人達の1.5倍です。思春期の悩みと早婚のストレスは折り合いが悪いのです。思春期の悩みが終わってから結婚に取り組んでも遅くはありません。
11. アルコールと薬物の乱用
この二つは結婚を破壊するのみならず、中毒者の命を奪います。調査によれば、全アメリカとカナダの40%の家族の中には、アルコール依存症患者がいます。
12. ポルノ、ギャンブル、その他の中毒
人間の性質は悪であることは、説明するまでもないでしょう。特に若いときは、破壊的な行動にはまってしまう傾きがあります。
最初は、「ポルノやギャンブルや危険な薬物をもてあそんでも、怪我はしない」と思い込んでいます。確かに、それほど影響を受けない人もいます。しかし、自分の弱さが分かった時には手遅れという人もいるのです。中毒は、家族の基本的な枠組みを危うくします。
これは、馬鹿げた、またとりすました警告に聞こえるかもしれません。しかし、人生を台なしにした人々を私は20年追跡調査しました。最初は試しにやってみるつもりの人が、ついには死んでしまったケース、または結婚生活の破滅に至ったケースもあるのです。
以上が高い離婚率の原因ですが、実際はこのリストは無限に続きます。雑草は、歩道のほんのわずかなすき間を見つけて生えてきます。不利な条件をはねのけ、夫婦が親密で長続きする結婚生活を楽しみたいなら、真剣に取組むことが必要です。黙っていれば、二人の心は近づくよりもますます離れてしまうものなのです。
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