ご質問のような問いに答えるために、私は35.000人の親たちの協力を得て調査をしました。その結果が拙著「意志の強い子と従順な子」(Parenting
Isn't for Cowards)に詳しいのですが、その中の重要なものを11項目に凝縮して箇条書にしてみましょう。これらの項目は一般的な特徴や性格をさしており、そのままお子さんに当てはまるとは限りませんが、「意志の強い子」と「従順な子」が長じるに従って起きる典型的な過程を表わしています。
1 全人類のうち「意志の強い子」は「従順な子」の3倍いる。複数の子どもがいる家庭では、少なくとも一人の「意志の強い子」がいる。
2 「意志の強い男子」は「意志の強い女子」を5%上回る。また「従順な女子」は「従順な男子」を6%上回る。すなわち、頑固な性格はわずかに男子に多く、従順な性格はわずかに女子に多い。しかし、しばしばこれが逆の場合もありうる。
3 誕生の順番は「意志の強い子」か「従順な子」かには関係がない。性格の要素は基本的には生まれつきで、長男長女であるか、末っ子であるかには関わりはない。
4 「意志の強い子」の親は、早くそれに気付く。3分の1は産まれた日にそれと分かり、3分の2はお誕生日までに、92%は3歳までに判別できる。「従順な子」はそれよりさらに早く分かる。
5 親の気質が子どもに遺伝する傾向がある。多くの例外はあるものの、ふた親が「意志の強い子」であった場合、子どもも「意志の強い子」になる傾向が大きい。逆もまた真である。
6 「意志の強い子」が十代になるとき、家庭内は戦争になる。「意志の強い子」の74%は思春期に激しい反乱を起こす。
7 信じ難いことだが、思春期には「従順な子」の3%しか激しい反抗を経験しない。穏やかに反抗するのも14%に過ぎない。彼らはスマイルを浮かべて人生をスタートし、大人になるまでそのスマイルを維持する。
8 「意志の強い子」の親にとってうれしいことは、思春期の終わりになると反抗が急激におさまることである。二十代前半で突然静まり、その後ますます下降線をたどる。ある子らは20代、30代に入ってもまだ怒りがさめやらないが、大部分はほとぼりが冷めている。そして穏やかに人間社会に復帰する。
9 「従順な子」の方が「意志の強い子」よりは学校での成績はずっとよい。高校の最後の二年間で、単位認定すれすれか不認定の点数をとる「意志の強い子」は「従順な子」の3倍いる。「従順な子」のほぼ80%は成績表に7ないし10の評価を受けている。
10 「従順な子」の方が「意志の強い子」よりは社会的にうまくいく。親の権威に挑戦する傾向のある子は、友達にも嫌われる行動をとる傾向がある。
11 「従順な子」の方が「意志の強い子」よりは、典型的により高い自尊心を持つ。この結果の重要性は評価しすぎることはない。「自分が好きではない」(17%)、また「自分が大嫌い」(2%)と告白した「従順なティーンエイジャー」は19%しかいない。比較して、「意志の強いティーンエイジャー」の35%は「自分が大嫌い」だと言い、8%は「自分が大嫌い」だと言う。
これらが私の大まかな調査結果です。「従順な子」はより自分、親、教師、友人とうまくやっていけることが分かります。逆に、「意志の強い子」は文句を言い、争い、試し、質問し、挑戦しないではいられない衝動があるようです。
なぜそうなのでしょうか。彼らは、人生のあらゆる側面で不安定であるという以外に答はありません。分かっているのは、自尊心が低いのは、友達への依頼心が強すぎること、勉強の困難、人付き合いの難しさ、またこれまでに見てきた反抗心などと関わりがあるということです。
自分の本質的な価値を受け入れることが人格の核心です。これがあやふやだと、すべては影響を受けます。
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