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ドブソン博士   ドブソン博士の一問一答
Q5.


 聖書は、子どもの気質や性格が誕生前から定まっていることをいっていますか。


A.


はい。生まれる前の子どもを神が知り、人として関わられることを示す箇所がいくつかあります。
神は、預言者エレミヤに言われました。

「わたしは、あなたを胎内に形造る前から、あなたを知り、あなたが腹から出る前から、あなたを聖別し、あなたを国々への預言者と定めていた。」(エレミヤ1章5節)

使徒パウロは、我々が生まれる前から選ばれていたと言います。(エペソ1章4節)
また注目すべき箇所で、双子のヤコブとエサウの誕生前の成長について知らされています。誕生前に預言された通り、一人は反抗し頑固で、一方はいわばお母さん子になりました。二人は生まれる前から争っており、生涯の大部分を争い続けました。(創世記25章22ー27節参照)

後に、聖書の中でも大変に不思議で困惑する箇所のひとつですが、主は「わたしはヤコブを愛し、エサウを憎んだ」(ローマ9章13節)と言われました。神は、エサウが生まれる前から、彼が反抗的な性質を持っていることを見抜き、また神の霊の働きを受け入れないことを知っておられたようです。

これらの箇所から分かるのは、胎内の子も神に知られていて、ユニークな個性の持ち主であるということです。少なくとも私にとって、もう一つ言えるのは、これらいたいけな胎児を抹殺する中絶行為は悪であるということです。

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Q6.
私は性格が昼と夜ほどに違う二人の子どもを育てています。実は、彼らは博士のおっしゃる「意志の強い子」と「従順な子」の描写にぴったりです。一人はかんしゃく持ちで、片方は人好きのする子です。長い目で見るときこれがどういう意味を持つのか大変興味があります。しつけや家族同士の関わりのような日常的な問題以外のことをもっと教えていただけますか。


A.

ご質問のような問いに答えるために、私は35.000人の親たちの協力を得て調査をしました。その結果が拙著「意志の強い子と従順な子」(Parenting Isn't for Cowards)に詳しいのですが、その中の重要なものを11項目に凝縮して箇条書にしてみましょう。これらの項目は一般的な特徴や性格をさしており、そのままお子さんに当てはまるとは限りませんが、「意志の強い子」と「従順な子」が長じるに従って起きる典型的な過程を表わしています。

 1 全人類のうち「意志の強い子」は「従順な子」の3倍いる。複数の子どもがいる家庭では、少なくとも一人の「意志の強い子」がいる。

 2 「意志の強い男子」は「意志の強い女子」を5%上回る。また「従順な女子」は「従順な男子」を6%上回る。すなわち、頑固な性格はわずかに男子に多く、従順な性格はわずかに女子に多い。しかし、しばしばこれが逆の場合もありうる。

 3 誕生の順番は「意志の強い子」か「従順な子」かには関係がない。性格の要素は基本的には生まれつきで、長男長女であるか、末っ子であるかには関わりはない。

 4 「意志の強い子」の親は、早くそれに気付く。3分の1は産まれた日にそれと分かり、3分の2はお誕生日までに、92%は3歳までに判別できる。「従順な子」はそれよりさらに早く分かる。

 5 親の気質が子どもに遺伝する傾向がある。多くの例外はあるものの、ふた親が「意志の強い子」であった場合、子どもも「意志の強い子」になる傾向が大きい。逆もまた真である。

 6 「意志の強い子」が十代になるとき、家庭内は戦争になる。「意志の強い子」の74%は思春期に激しい反乱を起こす。

 7 信じ難いことだが、思春期には「従順な子」の3%しか激しい反抗を経験しない。穏やかに反抗するのも14%に過ぎない。彼らはスマイルを浮かべて人生をスタートし、大人になるまでそのスマイルを維持する。

 8 「意志の強い子」の親にとってうれしいことは、思春期の終わりになると反抗が急激におさまることである。二十代前半で突然静まり、その後ますます下降線をたどる。ある子らは20代、30代に入ってもまだ怒りがさめやらないが、大部分はほとぼりが冷めている。そして穏やかに人間社会に復帰する。

 9 「従順な子」の方が「意志の強い子」よりは学校での成績はずっとよい。高校の最後の二年間で、単位認定すれすれか不認定の点数をとる「意志の強い子」は「従順な子」の3倍いる。「従順な子」のほぼ80%は成績表に7ないし10の評価を受けている。

 10 「従順な子」の方が「意志の強い子」よりは社会的にうまくいく。親の権威に挑戦する傾向のある子は、友達にも嫌われる行動をとる傾向がある。

 11 「従順な子」の方が「意志の強い子」よりは、典型的により高い自尊心を持つ。この結果の重要性は評価しすぎることはない。「自分が好きではない」(17%)、また「自分が大嫌い」(2%)と告白した「従順なティーンエイジャー」は19%しかいない。比較して、「意志の強いティーンエイジャー」の35%は「自分が大嫌い」だと言い、8%は「自分が大嫌い」だと言う。

これらが私の大まかな調査結果です。「従順な子」はより自分、親、教師、友人とうまくやっていけることが分かります。逆に、「意志の強い子」は文句を言い、争い、試し、質問し、挑戦しないではいられない衝動があるようです。

なぜそうなのでしょうか。彼らは、人生のあらゆる側面で不安定であるという以外に答はありません。分かっているのは、自尊心が低いのは、友達への依頼心が強すぎること、勉強の困難、人付き合いの難しさ、またこれまでに見てきた反抗心などと関わりがあるということです。

自分の本質的な価値を受け入れることが人格の核心です。これがあやふやだと、すべては影響を受けます。

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Q7.
「意志の強い子」を育てていると、長い間にはどんなことが起きますか。どんな心備えがいるでしょう。


A.

私どもの調査結果から、いくつかの励ましをさしあげることができます。

「意志の強い子」は、成人して親の価値観に立ち返る傾向があります。親たちからの回答によれば、成人した(24歳以上の)「意志の強い子」の85%は子どものころに教えた価値観に完全に立ち返るか、もしくはある程度立ち返りました。これは励ましです。20代半ばで、家族の基本的な価値観を拒んだのは15%にとどまりました。この例外的なケースでは、他の問題または苦しみが原因だと私は見ています。

つまりそれは、第一に、これら心のかたくなな子どもたちは家にいる間は、なにやかやと文句を言いますが、成人に達したころには、打ってかわって親の望むところを実行するということです。ですから胸をなでおろしてください。さらに、彼らを24歳の時ではなく、35歳で再調査したなら親の価値観にいまだに反抗している人はさらに少数になっていただろうと思われます。

二番目に、一人の「意志の強い子」を、またはそういう子ばかりを育てることは親にとって孤独な仕事になりうることです。「こんな目に会うのは自分たちだけなのか」という思いにとらわれるかもしれません。しかし、そんなことはありません。三千人を対象にした別の調査では、85%の家族が、少なくとも一人の意志の強い子を育てていました。これが親業であり、これが人間の性質なのです。

三番目に、意志の強い子を持つ親御さんたちは、このような子どもを与えられて「馬鹿を見た」と感じたり、がっかりしたりしないように願います。あなたは特例でも、また神様の悪い冗談の犠牲者でもありません。

とびきり従順なこどもも含めて、人はみな様々な欠けを持って生まれてきます。確かに、独立心豊かな息子や娘を育てるには手がかかりますが、できないことではありません。

親が主の前に祈り、とりなすことにより、思春期の終わりごろには子どもに落ち着きを取り戻させることができます。親は努力のしがいを感じるでしょう。また、聖書にある古くからの原則に従うことにより、あなたの価値観を彼等にも伝える確率をさらに高めることができます。ですから気を落とさないでください。価値あるもので、イエス・キリストにある救いの賜物以外には、楽に手にはいるものは何もありません。

ソロモンの励ましのことばに堅くすがってください。「幼子をその行く道にふさわしく教育せよ。そうすれば、年老いても、それから離れない。」(箴言22章6節)

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Q8.
「意志の強い子」についてはよく分かるようになりました。でも今子育て真っ最中の私に具体的な方法を教えてください。あの頑固さは半端ではありません。


A.

 私が大事だと思う方法やアイデアを列挙してみましょう。

 1 子どもが持って生まれた性格のゆえに自分を責めてはいけません。彼(彼女)はただ手なづけるのが困難なだけです。あなたはまずこの挑戦を受けて立つことです。

 2 いつも限界を見極め、不可能に挑戦しようとする傾向があるため、「意志の強い子」にはどちらかといえば危険が伴います。あなたには最大の努力と知恵が要求されます。

 3 パワーと独立心に対する彼の渇望を理解できないなら、あなたは力を使い果たして自分を責めるだけです。だれの益にもなりません。

 4 子育ての初期のうちに、親が主導権を握ることです。幼いうちからがっちりと手綱を握り、わずかな機会をみつけて子どものうちに親を尊敬する態度を養いなさい。来る日々にそのすべてが生きてきます。子どもに対する主導権を一旦確率したら、それを年ごとにまた計画的に手放していくのです。

 5 思春期の嵐の時にも、パニックにならないでください。これから良くなります。

 6 息子さんの心があなたから離れていくままにしないでください。橋をかける努力をしてください。処置なしと決めつけたくなる衝動に打ち勝ってください。彼があなたをこれまでになく必要としている時なのです。

 7 その必要がないように見えても、自分捜しのための時間をあげてください。

 8 最も大切なことですが、子どもたちが家にいる期間中、主の前に熱心に彼らのためにとりなすのです。親としての力と知恵の源はこれ以外にないと私は思います。現代の子どもたちを取り囲む悪に打ち勝つ十分な知恵は、私の著書にも、誰の著書の中にも見い出せません。ティーンエイジャーのそばには、薬物、アルコール、セックスそしてきたない言葉があふれています。そして言うまでもなく、同世代からのプレッシャーは大変なものです。日々彼らを祈りの中に浸すのです。あなたのお子さんを創造なさった神は、あなたの願いをお聞き届けになります。それが神の約束です。神は、あなた以上にお子さんを愛しておられます。

最後に一言。聞き分けのいい子どもを育てることなら誰でもできます。反乱を起こす「意志の強い子」を導き続けるには、いわば「子育てのプロ」がせいいっぱいの愛情を注ぐことが必要です。あなたにはそれができると思います。

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Q9.
聞き分けのいい子ども、親にあわせることのできる子どもの特別な必要はなんでしょう。彼にも何か必要がありますか。


A.

素晴しい質問です。必要はあります。第一子が激しい性格で、二人目は八方美人だとした場合、親は協力的で優しい心の子は放っておいても大丈夫と思いがちです。何か面倒な仕事がある場合には、協力的な子に手伝いを期待してしまいます。ママとパパは、わからずやさんと言い争うエネルギーがないからです。だれか一人の子に犠牲をはらってもらうか、がまんしてもらうことになるばあい、大声でぐずらない方を選びがちです。こういう状況では、聞き分けのいい子が損な役回りになります。

そういう不公平がまかり通っていると、その行き着く先は明らかでしょう。責任感のある子は、そのうち怒り出します。くすぶるような無力感とうらみとを抱きます。イエス様の語った「放蕩息子のたとえ」の長男に似ています。彼は父親に反抗をしませんでした。無責任な弟がしたい放題の無駄づかいをしているあいだ、兄はじっと父親の畑の仕事をしていました。弟をうらんだとしても無理はありません。彼の応答は、従順で勤勉な子の典型です。

ですから、親は従順な子を取り扱うのに、公平であるように私は強く勧めます。彼にも十分注意を向けてください。彼が横柄な兄弟とうまくつきあえるように、いっしょに考えてあげてください。そして、無理のない範囲で、彼にも自分で決める権利を認めてください。
子育ては何事も簡単にいきませんね。一番手がかからないと思える子にも、これだけの努力がいるのですから。

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Q10.
可愛い赤ちゃんが、生まれつき悪い性質をもって生まれて来たなどとは信じられません。私は「子どもは生まれながら善であって、悪いことは後で習うのだ」という専門家の意見に賛成です。

 

A.

 

ここでは、赤ちゃんが純粋だとか無垢だということとは別だとご理解ください。神の被造物としての子どもの愛らしさを疑う人はいません。ここの論点は、子どもたちが受け継いでいる性質と傾向に関するものです。

性善説を信じる人々は、人間とは生まれながら利己的ではなく、正直で、丁寧で、人に優しく、自制心があり、権威に従順であると主張します。お言葉のように、子どもは腐敗し、誤った社会に触れて初めて悪を覚えるのだと彼等は言います。「悪い経験をするから悪い行いをするのだ。だから、健全な子どもを育てるには親が愛に満ちた環境を用意し、あとは手を引きなさい。内側から生まれながらの善が出てくる」と。

これは、子どもの性質についてのヒューマニズムの見方です。多くの人々がこれを信じ、大部分の心理学者たちもこれを受け入れ、20世紀の間教えてきました。この考えにはひとつだけ欠陥があります。全く不正確だということです。

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「ドクタードブソンの一問一答」の翻訳については、ファミリー・フォーラム・ジャパンがティンデール社から許可を得ています。

Excerpted from COMPLETE MARRIAGE AND FAMILY HOME REFERENCE GUIDE ・ 2000
by James Dobson Inc. Used and translated with permission of Tyndale House Publishers.
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