思春期前の子どもたちを持つ親御さんがすべき大切なことのひとつは、行動には必ずそれに相応しい結果が伴うことを教えることです。何でも大目に見てしまうと、子どもは、行動と結果という二つを、結びつけて考えることができなくなります。
3歳児が母親に失礼なことばを口走っても、母はどうしたらいいのか分からずに目をぱちくりしている。
1年生が先生に逆らっているのに、先生はまだ幼いからと言って見過ごす。
10歳の子が万引きしてつかまりますが、親があやまるだけで簡単に放免される。
15歳の娘が、車のキーを盗み出し無免許運転で捕まっても、父親が罰金を払ってしまう。
18歳の息子が無謀運転をして電信柱にぶつけても、親が修理代を出してあげる。
子どもが何歳であっても、親は愛情のゆえに、無責任な行動とその結果との間にある密接な関係を断ち切ってしまい、貴重な教訓を子ども達が学ぶチャンスを奪うのです。
このように、若者が大人になった時に、人生は甘くないこと、自分がなすすべての行いは将来に直接影響すること、無責任な行動はいつかは悲しみと痛みを生むことなどを本当に知ることがないのです。
そんな人は、初めて就職したその週に、三度も遅刻します。あとになって厳しい言葉で首を宣告されて、逆恨みをします。嬉しくない結果からママとパパが救い出してくれなかったのは、これが生まれて初めてです。(残念なことに、多くのアメリカ人の親は、子どもが家を出ているにもかかわらず、成人した子どもをまだ助けてやろうとします)
結果はどうなるでしょう。過保護にすれば人にいつまでも依存し、永遠の思春期に留まるような精神的半人前を生み出してしまうのです。
では、どうしたら行動には必ず結果が伴うことを教えられるでしょう。
それには、子どもが無責任な行動をしたら、その結果としての苦痛や不便をあえて忍ばせることです。寝坊してバスに乗り遅れた子は、車で送ってやらずに遅れて行かせる。お昼ご飯を買いなさいと言って渡したお金を、なくしてしまった子には、一回お昼を抜かせる。(もちろん、年端もいかない子ども達に、常識をはずれて厳しくし過ぎてはいけませんが)
とにかく、一番いいのは、子ども達に年相応の責任を持たせ、それを果さなかった時の苦い実を時に味わわせることです。そうすることによって、実生活と同じように行いがその結果と結びついていることを子どもは体で覚えます。
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