pagetop Top Return

子育て 
   <子育てトップ> <幼児> <小学生> <思春期>


【小学生】

ドブソン博士
  ドブソン博士の一問一答
 
Q131.
4歳の娘はすぐにぐずります。普通の声で話すことがほとんどありません。どうしたら、こういう習慣をやめさせられるでしょうか。  
A.

そういう時にとても役に立つ「消去」というプロセスがあります。「消去」とは、強化(つまり、ごほうび)によって習った行動はなんでも、そのごほうびを取り去ることによって、忘れさせることができる、ということです。複雑に聞こえるかもしれませんが、実際にはそのやり方は簡単で、娘さんにもすぐに適用できます。

お嬢さんは、なぜ普通に喋らないでぐずると思いますか。それは、あなたがそれに注意を払うことによって、ぐずり声を強化したからです。彼女が普通に話している限り、あなたは忙しがって話を聞いてあげません。そのくらいの年の大部分のお子さんと同じく、恐らく一日中べちゃべちゃとしゃべっているんでしょう。

ですから、あなたはほとんどその言葉を聞いてはいません。けれども、彼女が、あなたの神経にさわるイライラするような不快な調子で話すと、「どうしたのかな」とあなたは注意を払うのです。ですから、彼女のぐずり声は、効果がある。普通の声では効果がない。それで、ぐずり屋さんになってしまったわけです。

その癖をなくすには、単にその逆を行くのです。彼女に、こんな風に言ってみてください。

「ぐずってると聞こえないよ、ママの耳はおかしな耳だから、ぐずる声は聞こえません」

そういう風に一日二日やってみたあと、愚痴っぽい調子の声は聞こえないふりをしてください。それから、お嬢ちゃんが普通の声で言ったことには何でも、すぐに気づいたふりをするのです。この「ごほうび」を正しく適用すれば、必ずやお望みの結果を得られることは、私が保証します。

人間のほとんどの学習はこの原則に基づいており、その結果は明確です。もっとも、あなたが取り除こうとしている行動を、おばあちゃんやおじさんが強化し続けてしまい、結局ぐずり声がなくならないということはありえますが。

Qのページへもどる

 
Q132.

うちの9歳の娘には手を焼いていまして、やりたくないことをさせるには大変です。あんまり不愉快なので、もう娘とけんかするのはやめようかと思うくらいです。家の中の手伝いをさせるのになんで無理矢理言うことをきかせる必要があるんでしょうか。やりたいようにさせて放っておいたら、何か悪いことがあるのでしょうか。

 
A.

9歳の子が手伝いたくないのは、もちろんよくあることですが、それでもお手伝いに慣れさせることが必要です。人格の形成期に無責任な生活パターンを身につけてしまうと、大人として責任をフルに負うようになるための発達段階で、遅れを取るかもしれません。仕事を最後まで成し遂げる訓練を受けなかったために、10歳になったときには、面白くないことは何もできないようになってしまうかもしれません。自分のことしか考えなかったために、人に与えるということが分からなくなるかもしれません。決断を下したり、自分の衝動をコントロールすることが難しくなるかもしれません。

数年したら思春期が始まりますし、大人になった時に与えられる自由や義務を前にして、何の備えもできていないということになりかねません。成熟に伴う責任を負うための大切な訓練を何も受けないままに終わってしまうのです。

もちろんこれは最悪のケースです。そのようなことにならないために、チャンスはまだまだたっぷりあります。今お嬢さんの機嫌をこわしたくないという誘惑にお母さんが負けて、後になって彼女が困ることのないように願います。

Qのページへもどる

 
Q133.
先生のしつけ法(また家族についてのアドバイス)は聖書に基づいていると聞きましたが、具体的にはどの箇所ですか。  
A.

先生のしつけ法(また家族についてのアドバイス)は聖書に基づいていると聞きましたが、具体的にはどの箇所ですか。

A. 神は子どもの創造主ですから、子どもの育て方や家族の機能についてご存知のはずです。主に従おうとする親のための一貫した理解しやすい処方箋を聖書に見いだすことができます。神の知恵を表している聖句をいくつか引用します。私が強調しているのは三つのポイントです。

(1) 親の権威を認める
(2) しつけは子どものためになる
(3) しつけは厳しすぎてはいけない

「自分の家庭をよく治め、十分な威厳をもって子どもを従わせている人です。
(自分自身の家庭を治めることを知らない人が、どうして神の教会の世話をすることができるでしょう)」     (テモテへの手紙第一 3章4-5節)

 「子どもたちよ。主にあって両親に従いなさい。これは正しいことだからです。
『あなたの父と母を敬え。』これは第一の戒めであり、約束を伴ったものです。
すなわち、『そうしたら、あなたはしあわせになり、地上で長生きする』という約束です。」    (エペソ人への手紙 6章1-3節)

 「父たちよ。あなたがたも、子どもをおこらせてはいけません。かえって、主の教育と訓戒によって育てなさい。」    (エペソ人への手紙 6章4節)

「子どもたちよ。すべてのことについて、両親に従いなさい。それは主に喜ばれることだからです。

父たちよ。子どもをおこらせてはいけません。彼らを気落ちさせないためです。」
(コロサイ人への手紙 3章20-21節)

「わが子よ。主の懲らしめを軽んじてはならない。
   主に責められて弱り果ててはならない。
   主はその愛する者を懲らしめ、
   受け入れるすべての子に、むちを加えられるからである。
   訓練と思って耐え忍びなさい。神はあなたがたを子として扱っておられるのです。
   父が懲らしめることをしない子がいるでしょうか。
   もしあなたがたが、だれでも受ける懲らしめを受けていないとすれば、私生子であって、
  ほんとうの子ではないのです。
  さらにまた、私たちには肉の父がいて、私たちを懲らしめたのですが、
  しかも私たちは彼らを敬ったのであれば、なおさらのこと、
  私たちはすべての霊の父に服従して生きるべきではないでしょうか。

  なぜなら、肉の父親は、短い期間、自分が良いと思うままに私たちを懲らしめるのですが、

  霊の父は、私たちの益のため、私たちをご自分の聖さにあずからせようとして、懲らしめるのです。

  すべての懲らしめは、そのときは喜ばしいものではなく、かえって悲しく思われるものですが、

  後になると、これによって訓練された人々に平安な義の実を結ばせます。」
(ヘブル人への手紙 12章5ー11節)

「あなたの子を懲らせ。
そうすれば、彼はあなたを安らかにし、
あなたの心に喜びを与える」  (箴言 29章17節)

  これらの聖句には、児童心理学の教科書を全て合わせた以上の知恵が詰まっています。これは、宇宙に星をちりばめ、一握りの土からアダムを創造されたお方の心に発したものです。この方には誤りがありません。関連するすべての聖句にある主要テーマを要約するなら、親が子どもの自尊心を守りつつ、しつけること。これこそ、まちがいのない処方箋です。

Qのページへもどる

 
Q134.

「子どもの言うことなんか、聞く必要はない」という人がいますが、先生はどう思われますか。

 
A.

そういう人は、子どもとその必要を何も分かっていない人です。そのような考え方で、弱く小さな子どもたちを育てられる大人がいるとは思えません。

Qのページへもどる

 
Q136.

子どもって、お休みの時とか、親が特別サービスをしてあげているときに、一番気にさわることやイライラするようなことをするのは、なぜなんでしょう。そういう時には、子どもは「ママもパパも、がんばってこんないい所に連れてきてくれたんだから、今日ぐらいはいい子にしていよう!」と考えてもおかしくないと思うんですけど。

 
A.

確かにその通りですが、子どもはそういう風には考えないんですね。実際、そういう時にこそ悪さをするものです。なぜでしょう。

 一つには、子どもは、「親が決めたルールがまだ有効なのかどうかを確かめなくてはならない」と折りにふれて思うからです。言い換えると、何か少し変わったことがあると、まだ前の決まりが続いているのかを試すために、ちょっと境界線を越えてみるわけです。

Qのページへもどる

 
Q137.

それでは、家族が車で長旅をしたりする時には、どうやって皆が仲良くし親は心の平安を保てるのでしょうか。

 
A.

旅行などに出かける前に、ルールを再確認するのが役に立つでしょう。これからどんなことをするか、子どもにはどうしてほしいかをはっきりと言うのです。それでも言うことを聞かなければ、最初から、愛情に基づいた適当な罰を与えてください。

   休日に子どもから嫌われたい人はいないでしょう。でも、最初に少し厳しくしておけば、家族全体が残りの時間を一緒に楽しむことができるようになるでしょう。

Qのページへもどる

 
Q138.
自分が間違っていたと思ったら、先生も子どもに謝りますか。  
A.

はい、実際にしたことがあります。

かなり昔の事ですが、色々重い責任があって疲れており、いらついていました。ある晩の事ですが、10歳の娘に対して、私はとくに不機嫌で短気になっていました。自分でも「まずいな」とは思ったんですが、疲れ過ぎていて自分でもどうしようもありませんでした。その晩は寝るまで、彼女に関係ないことでダネーを責め、不必要に怒らせてしまいました。

ベッドに入ってから私は良心に責められて、翌朝には娘に謝ろうと思いました。良く眠り、おいしい朝食をいただいた後なので気分も回復していました。学校に出かける前の娘に近づいて、こう言いました。

「ダネー、お父さんも完全な人間じゃないことは知っているね。疲れたりイライラして、あとになって後悔するようなことをしちゃうこともあるんだよ。昨日はすまなかった。お父さんがすごく不機嫌だった。赦してくれるかな」

ダネーは、両手を私の肩に回して、びっくりするようなことを言いました。

「パパはきっと謝ってくれると思ってたわ、いいわよ、ゆるしてあげる」
親子間の摩擦については、「子どものほうが、忙しく悩みの多い親よりも、よくわかっているものだな」と思わせられたことでした。

Qのページへもどる

 
Q139.

子どもたちはまだ小学生ですが、できることなら思春期の反抗心は避けたく思います。このそら恐ろしい時期が来る前に、今から私が備えることがあるとしたらそれは何でしょう。

 
A.

お子さんの思春期を今から心配するお気持ちは、分かる気がします。現代は、子どもを育てるのに苦労する時代です。多くの若者たちは、大したストレスや問題もなくその時期を通り過ぎますが、家族関係を乱し父母の肝を冷やすような若者たちもいます。

私は、この現象を理解し、それを回避するための手立てはないか考えるのに、何十年も費やしました。励ましになる事があります。ほとんどの反抗的な十代は大人になると普通は責任感のある落ち着いた成人になり、昔なんであんなに腹を立てていたのか思い出せないという事実です。

私のラジオ番組の中で、かつては反抗的な十代だったという方々をパネルに招きました。その中には、名をなした牧師である、ラウル・リース、マイク・マッキントシュ、そしてビリー・グラハム博士の子息であるフランクリン・グラハム氏などがいました。

それぞれが、親をてこずらせた大変な若者だったそうです。家庭で虐待されていたというリース氏以外の二人の方々は、自分たちの良くない行状の原因はなんだったのか、なぜ普通の生き方ができなかったのか思い出せませんでした。

思春期の子とはそういうものなのです。暗い空の彼方から突然のように現れ、皆をパニックに陥れ、町中を振り回し去っていく竜巻きのようです。その後は太陽も顔を出し、暖かい日ざしが注ぐのです。

十代の時期は、確かにチャレンジもあるでしょうが、喜びの時であり成長の時でもあります。ですから、その経験を恐れるのではなく、子どもたちが子ども時代から立派な大人になっていくダイナミックな過渡期と考え、楽しみに待つべきだと私は思います。

Qのページへもどる

 
Q140.
先生のしつけ法を、もう一度簡単に要約して下さいますか。結局、親は何をしたらいいのでしょう。  
A.

逆に、何をしたらいけないのかを述べてみましょう。

私は、厳しく子どもを抑圧するような家庭生活を勧めてはいません。毎朝の食事のたびに子どもをたたきなさいとか、居間でおとなしくお座りしているような少年を育てなさいとは言っていません。子どもに大人のふるまいをさせて、子育てが上手だとまわりを感心させたり、気まぐれに罰を与え、何が悪かったかも分からない子に向かって親がわめきちらすことを勧めてはいません。冷たくて近づき難い存在になることで、親の権威を確立しなさいとも言っていません。こういうやり方では、健全で責任感のある子どもは育ちません。

私が勧める原則は単純です。

子どもがふてぶてしく挑戦してきたら、断固として勝つ。

「うちで一番強いのは誰?」と聞いてきたら、それに答えてやる。

「愛情が足りない」とつぶやく子は、腕に引き寄せたっぷりと愛する。

子どもを人間として大切にし、子どもにも同じことを求める。

それだけです。そうすれば、必ず親として自信を持った生き方ができるはずです。

Qのページへもどる

 

「ドクタードブソンの一問一答」の翻訳については、ファミリー・フォーラム・ジャパンがティンデール社から許可を得ています。

Excerpted from COMPLETE MARRIAGE AND FAMILY HOME REFERENCE GUIDE ・ 2000
by James Dobson Inc. Used and translated with permission of Tyndale House Publishers.
International copyrights secured



FFJ 
ページTopへ

footer